掛け算、わり算、算数であればどちらが先でも問題ないのですが、税金の計算の場合には順番が大事なケースもあります。
税金の端数処理
税額を計算する過程で端数処理が必要となることがありますが、計算ルールが定められているものもあります。
例えば、課税標準(税金を計算する際の基準みたいなもの)については、原則1,000円未満切り捨てとなっています。
あと、計算過程で生じた端数については、原則1円未満切り捨て、税金の確定金額については100円未満切り捨てなど。
あくまで原則であって、源泉徴収税額の課税標準や、消費税に関すること、附帯税など、別のルールがあるものもあります。
割ってから掛ける、掛けてから割る
以前、予定納税について記事にしておりますが、予定納税とは簡単にいうと「税金の前払い」です。
仮決算による中間申告もありますが、ここでは前事業年度の実績によるものを取り上げます。
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法人税の予定納税について
予定納税とは、簡単にいうと「税金の前払い」です。 以前、所得税などの予定納税について記事にしていますが、法人税にも予定納税はあります。 仮決算による中間申告もありますが、本日は前事業年度 ...
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法人税の場合の予定納税の計算式は、
- 前期の法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 当該事業年度開始の日から6月経過日の前日までの期間の月数
となっています。
ちょっとややこしいですが、一般的には、(税額÷12×6)なので、前期の税額の半分ぐらいになりますね。
ここで注意する点としては、計算の順番ですね。
前述のとおり、算数では掛け算が先でも割り算が先でもいいのですが、税金の計算ではその順番がルールで定められています。
法人税の予定納税の場合、「先に掛けて、次に割る」という順番になります。
ちなみに、消費税や事業税についても、「先に掛けて、次に割る」という順番ですが、住民税については逆で、「先に掛けて、次に割る」となります。
どっちから先でも一緒なんじゃない?と考えそうですが、前述の端数処理のルールなどもあるため、ケースによっては金額が異なる場合も出てきます。
税務ソフトでの計算
税金計算のソフトを導入されている場合(あまりないかもしれませんが)、基本的にはソフトが計算してくれるので、あまり気にしなくてもよいのですが、ソフトのプログラム次第ではずれることもあるようです。
実際、消費税の予定納税で100円ズレていることがありました。
手計算では掛け・割りの順番はどちらも一緒だったので、おそらく地方消費税の計算のところ(22/78)が先に定義されているなどして、そうなるのかなと推察しております。
念のためベンダーへ問い合わせしたのですが、「計算式がこうこうで、こうなっており、、」と説明があった後、「100円ズレて納付しても問題ないと確認しています」とのことでした。
確かに、実務的にはそのような取り扱いになるかもしれませんが、「100円足りませんよ」と問い合わせがきたら、それはそれで手間なので、ソフトが計算した金額についても、改めてメッセージボックスの通知等で確認したほうがよいなと感じました。
これまでそのようなことはなかったので、稀なケースだとは思いますが。
端数処理や計算の順番などルールがあるものもございますので、ご注意いただければと思います。
【編集後記】
昨日は午前中にとある取り組みの3回目。
冷蔵庫の製氷機の不具合。
すぐに対応していただきましたが、大きな故障ではなく事なきを得そうです。