インボイスの記載事項
インボイスは誰でも発行できるわけではなく、事前に税務署に届出をし登録された事業者だけが発行することができます。
インボイスには、原則、次の事項が記載されていなければなりません。
- 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号(T+13桁の番号)
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
立替え取引のイメージ
通常、一般的な取引の場合、請求する人、支払う人の2社間での取引となりますが、立替え払いの取引の場合、登場人物が増えることになります。
一般的な立替取引をイメージするために、こちらの図を確認してみたいと思います。
実際の取引(課税資産の譲渡)はA社⇔C社間で行われるという事例です。
こちらの事例では、A社がC社に支払うものをB社が立替えて支払い、その後、A社がB社に支払って立替えてもらった分を精算する流れです。
業種等によってはよくある取引かもしれませんね。
ただ、インボイス制度において留意すべきポイントがあります。
あくまで、取引はA社とC社間で行われているものなので、A社が仕入税額控除を行うためには、B社の取引情報ではなく、C社のものが必要となります(A社・C社はインボイス発行事業者という前提。B社は発行事業者でなくても問題なしです)。
請求書のコピー等をB社から受領したとしても、宛名が立替払いしたB社になっている場合は、そのままではインボイスの記載事項を満たしていません。
上記記載事項「6」の部分ですね。
なので、一定の対応が必要になります。
他社が立替払いした場合のインボイス対応
立て替え払いであっても、一定の書類の交付を受けることで、課税仕入れに対する控除が可能です。
具体的には、B社からインボイスのコピーとA社分の立替え払いであることがわかる立替金精算書等の交付を受けた場合には、その書類の保存をもって、C社からの課税仕入れに係る請求書等の保存要件を満たすことになります。
上記が原則ですが、立て替え払いを行ったインボイスが大量になるなど、コピーを交付することが困難になるなどの事情があるときは、B社がC社から交付を受けたインボイスを保存し、A社はB社から立替金精算書の交付を受け、保存するのみでよいことになっています。
この場合、B社はA社が仕入税額控除を受けるために必要な事項を、立替金精算書に記載しなければなりません。
該当の取引がある場合はご留意いただければと思います。
【編集後記】
昨日は午後から面談1件。
長崎もここ数日だいぶ冷え込んできました。
ちょっと前と比べて、外出時の装備が様変わりしております。
鍋がおいしい季節です。
鍋ずきです。