税金ほか

個人事業主の開業費の償却方法について

 

法人(会社)の場合、開業のために「特別に支出した費用」とやや限定的な部分もあります。

 

個人事業の場合、開業前に開業準備のために「特別に支出する費用」と、同じような定義がありますが、ある程度広い範囲が開業費に含まれます。

 

開業前の支出でも、次のようなものは開業費に含めることができません。

  • 10万円以上のモノ
  • 後で帰ってくる敷金・礼金
  • 仕入代金

 

10万円以上のモノは、原則として固定資産になります。

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開業費(繰延資産)には特有のメリットがあります。

 

開業費などの繰延資産は、60ヶ月での均等償却が原則の処理なのですが、税務上は任意償却となっています。

繰延資産の金額の範囲内の金額が償却費と認められており、また、その下限が設けられておりませんので、全額償却でもまったく償却しなくてもよいということになります。

 

そして、原則が60ヶ月の均等償却だからといって、60ヶ月以内に償却しないといけないというわけでもありません。

金額の範囲内であれば、償却する金額も、時期も任意に決めてよいことになります。

なので、年によって税率の差があるとすれば、高いタイミングで償却するほうが節税効果が大きくなります。

 

所得税は累進課税なので、使い所を選べるのはメリットだと思います。

 

 


■編集後記
昨日は午後からとある2日目。
初日に続きお伺いしてきました。

夜はとある会食(2年ぶりでした)。
今回も楽しい時間でした。
また、よろしくお願いいたします。

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  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日々更新中。

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