会計・経理 税金ほか

少額減価償却資産の特例について

 

「減価」も「償却」も、業界以外のかたにとっては、どちらも馴染みがない言葉だと思います。

「減価償却」とは、時間の経過によってその価値が減っていく、という考え方に基づき計算されるそのモノの価値の目減り分です。

 

長く使えるものは、一度に経費にするのではなく、その期間に応じて、分割して経費にしていくことになります(費用配分といいます)。

取得した資産が減価償却資産に該当したとしても、その資産の取得価額が少額だったり、税法で定める一定の要件を満たすものである場合に、その法定耐用年数よりも短い期間で費用にすることが認められています。

その1つに、少額減価償却資産の特例という制度があります。

 

少額減価償却資産の特例とは、青色申告の中小企業者等にだけ認められている制度で、取得価額30万円未満の減価償却資産については、一定の要件のもと、合計300万円までは一気に経費にすることができるというものです。

時限立法(期間限定)ではあるのですが、しばらくの間、期限が来る前に延長、延長と続いております。

また、取得価額30万円未満の判定は、消費税の経理方法によってそのラインが違います。

税込経理の場合は税込金額、税抜経理の場合は税抜の金額で判断することになります。

 

実務的には、申告時に一定の明細書を添付する必要もあったり、償却資産申告の対象となるものなので、経理処理の段階で当該特例の対象としたことがわかるようにしておく必要がありますね。

別の処理方法(一括償却資産など)を検討する場合にも、すぐに抽出することができれば、その判断もスムーズにできます。

まあ、会計ソフトを利用していれば、そう手間はかからないと思います。

 

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■編集後記
昨日は午後から面談1件。
月次や確定申告など。
合間に久しぶりに妻とツーリング。
いつものコースを少しだけ。
短い時間でしたが、楽しめました。

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  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日々更新中。

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