会計・経理 税金ほか

少額減価償却資産の特例について

 

「減価」も「償却」も、業界以外のかたにとっては、どちらも馴染みがない言葉だと思います。

「減価償却」とは、時間の経過によってその価値が減っていく、という考え方に基づき計算されるそのモノの価値の目減り分です。

 

長く使えるものは、一度に経費にするのではなく、その期間に応じて、分割して経費にしていくことになります(費用配分といいます)。

取得した資産が減価償却資産に該当したとしても、その資産の取得価額が少額だったり、税法で定める一定の要件を満たすものである場合に、その法定耐用年数よりも短い期間で費用にすることが認められています。

その1つに、少額減価償却資産の特例という制度があります。

 

少額減価償却資産の特例とは、青色申告の中小企業者等にだけ認められている制度で、取得価額30万円未満の減価償却資産については、一定の要件のもと、合計300万円までは一気に経費にすることができるというものです。

時限立法(期間限定)ではあるのですが、しばらくの間、期限が来る前に延長、延長と続いております。

また、取得価額30万円未満の判定は、消費税の経理方法によってそのラインが違います。

税込経理の場合は税込金額、税抜経理の場合は税抜の金額で判断することになります。

 

実務的には、申告時に一定の明細書を添付する必要もあったり、償却資産申告の対象となるものなので、経理処理の段階で当該特例の対象としたことがわかるようにしておく必要がありますね。

別の処理方法(一括償却資産など)を検討する場合にも、すぐに抽出することができれば、その判断もスムーズにできます。

まあ、会計ソフトを利用していれば、そう手間はかからないと思います。

 

参考減価償却資産あれこれ

  以前、減価償却できる固定資産、できない固定資産について記事にしました。   取得した資産が減価償却資産に該当したとしても、その資産の取得価額が少額だったり、税法で定める一定の要 ...

続きを見る

参考償却資産の対象資産(少額資産)の取り扱いについて

  事業で使用している資産がある場合には、一般的に「償却資産税」と言われる固定資産税がかかることもあります。   基本的には金額によって課税の対象となるのか、対象外となるのか区分さ ...

続きを見る

 

 


■編集後記
昨日は午後から面談1件。
月次や確定申告など。
合間に久しぶりに妻とツーリング。
いつものコースを少しだけ。
短い時間でしたが、楽しめました。

医療機関等

ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出割合、診療所は27.8%

  2024年の診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料、開始からもうすぐ1年となります。   厚労省の資料の中でその届出状況について公表されています。   2025年3月時点の届出状況は、病院86.0%、診療所で27.8%でした。   開始当初(2024年6月)の届出がほとんどのようで、それ以降は9%増とのこと。   届出様式の簡素化が行われていますが、届出の拡大は進んでいないのが現状です。   2025年3月3日までに届出を行っている医療機 ...

ReadMore

ライフ

徳を積む、ということを考える

  ある事柄に対して、徳を積んでるから、積んでいないから、といった会話を冗談交じりに行うシーンがありました。   それ以外にも、あの人は徳を積んでる人だ、徳が高い人だ、と言われて、なんとなく納得できることもあったりしました。   「徳を積む」ということの具体的な意味はわからないのですが、きっと、なにか特別なことをしないといけないということではなくて、感謝することだったり、当たり前のことを一生懸命にやる、そういったことを日々繰り返していく中にあるものなのだろうと、考えたりします ...

ReadMore

医療機関等

医療法人の事業報告書等(決算届)を紙提出する場合の注意点

  医療法人は医療法の規定により、毎会計年度終了後3月以内に事業報告書等を都道府県知事に届け出る必要があります。   提出方法は2つあり、どちらかの方法によって提出します。 WAMNET上の医療法人経営情報データベースシステムによる電子提出(利用申請が必要) 紙媒体での提出   私は基本的にはお客様が希望する方法で提出していますが、今現在は従来の紙提出が多めです。   紙提出のケースでは、通常前会計年度に提出したデータを更新して利用するのですが、法改正等の影響がある ...

ReadMore

  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から 1567日毎日更新中。

-会計・経理, 税金ほか

S