税金ほか

相続で引き継いだ減価償却資産の取り扱いについて

 

相続によって減価償却資産を引き継いだ場合の取り扱いについて確認したいと思います。

 

減価償却資産とは

「減価償却」とは、時間の経過によってその価値が減っていく、という考え方に基づき計算されるそのモノの価値の目減り分です。

長く使えるものは、一度に経費にするのではなく、その期間に応じて、分割して経費にしていくことになります(費用配分といいます)。

業務に使用していて、かつ時間の経過とともに資産価値が減少する固定資産を減価償却資産といいます。

参考未償却残高とは何か

「減価」も「償却」も、業界以外の方の場合、どちらも馴染みがない言葉だと思います。 本日は、減価償却の仕組みの中で出てくる「未償却残高」について書いてみようと思います。   減価償却とは 「減 ...

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相続で引き継いだ減価償却資産の取り扱い

相続により減価償却資産を引き継いだ場合、取得価額、経過年数及び未償却残高、耐用年数については、被相続人(亡くなられた方)が計算していたものを引き継ぐことになります。

中古資産を取得したような取り扱いにはなりません。

そのまま引き継ぐので、同じ金額を減価償却費として計算すればいいようにも思いますが、そういうわけではありません。

減価償却方法については、取得日に応じて判定することになっています。

この「取得」については、相続によるものも含まれることになっているため、相続した日に応じて改めて判定することになります。

償却方法については引き継がないということですね。

なので、亡くなられた方が定率法を選んでいたからといって、そのまま定率法を採用することはできません。

定率法を採用できる資産であっても、引き継いだ方が届出を行わければ定額法にて減価償却を行うことになりますし、資産によっては定額法しか適用できない場合もあります(建物など)。

相続により引き継ぐもの引き継がないものがありますので、ご留意いただければと思います。

 

 

 

 


■編集後記
昨日は外出予定なし。
自社の申告を済ませたり、確定申告など税理士業中心の1日でした。
積雪が思ったほどではなかったので良かったです。
まだ安心できませんが。。

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  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日々更新中。

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