簿記に限らずですが、試験と実務は違うところがあるものです。
税理士事務所に入社した当初を思い出す機会がありましたので、その頃感じた実務との違いについて、感じていたことを振り返ってみたいと思います。
勘定科目の判定が難しい
簿記検定などでは、勘定科目が与えらることがほとんどでしたが、実務においては勘定科目をどうするかで悩むことが多かったように思います。
「固定資産か修繕費か」のように、内容を詳しく調べてみないと「判断」が難しいというものもあれば、会社ごとで使っている勘定科目が違ってたりして、同じような費用項目でも、この会社は「支払手数料」、この会社は「雑費」とか、独自の決まりみたいなものがあって難しかったです。
入社した頃は、OCRの用紙に勘定科目の印鑑を押すという作業がありましたから、、余計に間違えられませんでした、、修正もめんどくさいので。。
今考えると、どっちでもいいじゃんと思うようなことですが、右も左もわかっていない未経験者だったので、教えていただいたとおりにやっていました。
その代わり、試験では大変な集計などの計算については、基本会計ソフトを利用するので楽だなと感じました。
発生主義とは限らない
発生主義で処理するのが原則ではあるのですが、実務上は決算時を除いて、入金ベース・支払ベースで処理する現金主義で行うことがままあります。
決算時には、入金になっていないものは未収計上、支払っていないものは未払計上し、前期に未収・未払計上したものを入れ替えるような処理をします。
さすがに金額が大きいものについては、そのような処理をしないところが多いと思いますが、少額であれば現金主義で行うところがほとんどです。しかも、少額で毎月同じような支払いの場合は、決算での未払計上もしない場合もあります。
最初は、少し戸惑いましたが、自然と当たり前になっていきますね、、
消費税の判定がセット
簿記検定などの試験で消費税が関係するのは、「税込み」となっているものについて集計する、ぐらいだったと思うのですが(試験ではめんどくさいんですけど)、実務においては取引とほぼセットで消費税が関わってきます。
しかも、「課税」や「非課税」、加えて「不課税」と、最初はなんのこっちゃという判定をしないといけません。当初はこれに苦労した記憶があります。あと、簡易課税の業種区分もですね、、
試験では7割りでよくても、実務で間違うわけにはいかないので、大変だった?ような気がします。
【編集後記】
最近では簿記検定も難しくなっていると聞くので座学も大変だと感じます。
資格での勉強がまったく実務に役立たないというわけではないと思いますが、実務で必要な力は、当然、実務を行う中でしか身につきません。最初はどっちも大変なわけです。
資格の勉強は資格のため、と割り切ることも必要なんでしょうね。