税金ほか

源泉所得税の「納期の特例」の要件、常時10人未満の判定について

 

通常、従業員等から預かった源泉所得税は、預かった翌月10日までに納付するのが原則です。

「納期の特例」とは、この納期限とは別のタイミングで納付ができるものです。

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具体的には、1月から6月までに預かった所得税を7月10日まで、7月から12月までに預かった所得税を翌年1月20日までに納めることになります。

 

源泉所得税の「納期の特例」の適用を受けるための要件として、従業員が「常時10人未満」というものがあります。

この「常時10人未満」は、給与等の支払を受ける人の数が平常の状態において10人未満であるかどうかで判定されることとなります。

 

例えば、日雇いで雇入れている人がいるケースで、それを常態としている場合には、常雇人の人数が10人未満であっても、日雇いで雇い入れている人を含めて10人未満でなければ、この特例を適用することはできません。

日雇いであっても、それが常態化していれば、それが平常の状態ということでしょうね。

逆に、日雇いを常態としていない場合で、繁忙期などに臨時で使用した人を含めて10人以上となるような場合には、常時10人未満であるものとされ特例を適用することができます。

 

納期の特例の適用を取りやめる場合にも、届出が必要です。

その際は、特例分の納付と毎月での納付、2種類の納付書にて納付するタイミングがあるので、ご注意いただければと思います。

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昨日に引き続き源泉所得税の「納期の特例」について記事にします。   源泉所得税の「納期の特例」については、10人未満の事業所について申請することができることを昨日の記事で書きました。 &nb ...

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【編集後記】
昨日は福岡出張。
はじめて西九州新幹線に乗りました。
2022年9月23日開業なので、まもなく1年経とうとしておりますが、普段は車移動メインで、なかなか乗る機会がないんですよね。
前半はほぼトンネルの中で、景色はあまり楽しむことはできませんが、自宅付近の風景を2、3秒だけ望むこともできました。
武雄温泉駅まで30分、快適でした。
初めてだったので、リレーかもめへの乗り換えがどんなものか気になっていましたが、同じホームの反対側に移動するだけなのでスムーズに行えますね。
娘たちに羨ましがられたので、娘たちの乗る機会を作るよう検討します。。

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  • この記事を書いた人

平川吉輝

税理士、AFP
1979年8月13日生、45歳。
長崎県長崎市在住。
2021年2月1日から日々更新中。

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